ET2012に行ってきた

ET2012

Embedded Technology 2012 / 組込み総合技術展。

スマートシティプロジェクト関連のセミナーとロボット関連のセミナー受講した。

介護ロボットについての興味があったから一番集中して聞いた。

大事だと思ったポイントは3つ。
ロボット開発に限らず、根底にある問題は他の分野でも言えると思った点。

  1. ロボットの安全基準がまだないこと
  2. 現場の要望と、開発側の安全に配慮せざるをえない部分の折り合いのつけかたが難しいこと
  3. ロボット側だけではなく、使う側、受け入れる側の準備も必要だということ

以下寝る前にメモ。

ロボットの安全基準がまだないこと

国際的にもまだない。
だいぶ前から日本がISO取得目指して頑張ってて、現在ドラフト状態で来年には一応できる。
もちろん他の産業機械の基準とか類似したケースからの応用とかはできるらしいけど、やっぱりロボット特有のものを考える必要があるのが難しいところ。
例えば、産業機械の安全基準だと回避性ってのがあったりするらしいんだけど、それをそのまま介護ロボットに適用すると問題が発生して評価がダメダメになっちゃう。
基準づくりからやるってのは相当大変。評価基準の評価をやったりだとか。
介護ロボットだと、状況に応じて乗算で評価項目が増えるからかなり大変。

現場の要望と、開発側の安全に配慮せざるをえない部分の折り合いのつけかたが難しいこと

例えば、起き上がるのを補助するロボットで、動作速度がめっちゃ遅いと感じられたりしたとき。
介護職員としてはもっとサクサク動いてもらったほうが効率がいいけど、ロボット開発者としては安全とかリスクとか考えた結果がソレだから無茶だってなるような食い違い。
いくら技術的に可能だと言っても、安全だとかリスクだとかっていうカセがあるから、どうしても現場とのミスマッチが出てくる部分がある。

ロボット側だけではなく、使う側、受け入れる側の準備も必要だということ

自動車がいい例。
あれほど事故ったりとかいうリスクが大きいのに絶対なくならないものもよく考えれば不思議。
でもそれは、社会の受容があるからという話。
例えば免許制度とか車検とか。小さい子にも交通教室とかあるし。もちろん開発者側でも安全基準があったりとか。
そういう社会全体でのクルマに対する危険の認識とかの合意が驚異的なレベルでできているから、あれほどのリスキーなものが堂々とまかり通っている。
一方、ロボットはまだまだそんな状況にはほど遠い。
だから、開発者側だけに安全を求めるんじゃなくて、使う側、社会の協力もあってこそのロボットの安全だという認識が必要。


個人的には

リスクをきちんと使用者側が認識して責任の所在を明確にすることで、もっと高速化するとかができてもいいと思う。
ただし、それも社会の受容、合意があってこそ。
どうやってやるのか、というのが問題。
新しいことをやるのは大変だということをおっしゃっていたが、確かにそうだとうなずけた。